[ home | about us | book&cd | hockey goods | Q&A | clinics | coach hiroki | link | contact us ]

チェコ
&スウェーデン

2004年04月28日

特別企画:ヘローキィのチェコ&スウェーデンホッケーツアーその6

スウェーデンへゴー

チェコに続いて、近年フォースバーグ、スンディン、ナスランドなどの素晴らしい選手を輩出しているスウェーデンを訪れました。スウェーデンも古くからのホッケー大国で、世界選手権の優勝は6回を数えます。また、スウェーデンは1-3-1などのニュートラルゾーントラップ、2-2-1トーピードなどの革新的なシステムを考案したことでも知られています。

スウェーデンに行った一番の目的はショーン・ポディーンに会うことでした。ポディーンといえばNHLエドモントン、フィラデルフィア、コロラド、セントルイスで約700試合に出場、2001年にはコロラドでスタンレーカップも獲得しているスター選手でした。昨年セントルイスでNHLを引退し、次なる就職先を探していたポディーンが「日本でプレーしてみたい」とコンタクトを取ってきてくれたことがきっかけでした。よくよく調べてみるとポディーンはミネソタ州ロチェスター(Rochester)出身。ロチェスターといえばヘローキィがミネソタで教えていたときに住んでいた町、ウィノナ(Winona)のすぐ近く、まあ1時間くらいで、あまりにも田舎町だったウィノナ市民はお買い物にロチェスターまで出かけたりしていました。そんな話をポディーンにすると、「おーお前ウィノナにいたのかー!俺もよく遊びに行ったぜ!」と意気投合して日本でのプレーの道を探ってあげることにしました。残念ながら日本でのプレーは実現せず、ポディーンは今シーズンスウェーデンのオールスウェーデンリーグ(エリートリーグの一つ下)、Vaxjo Lakers(ヴァクワ・レイカーズと発音)でプレーしました。で、チェコ行きを決めたときについでにVoxjoの町を調べてみると、経由地であるコペンハーゲンから1時間くらいということが分かり、チェコのついでにスウェーデンホッケーもみて見ることにしました。


ショーン・ポディーンは日本に来たがっていますよー!

空港に着いたら、さっそくポディーンが迎えに来てくれたのですが、彼の車はなんと「ショーン・ポディーン#25」仕様にペイントされているじゃあありませんか!人口わずか数万人の町にNHLからスター選手がやってくるとあってかなりプロモーションに力を入れているようです。


車だってポディーン仕様

ポディーンはトロが好き

NHL引退後なんでまた日本に来たいと思っていたのかと、さっそくポディーンに質問してみると、彼は日本文化にとても興味があるらしく「俺はスシが大好きだ!ヘローキィはどの寿司ネタが好きだ?」「この前トラベルチャンネルで日本の裸祭りがやってたけど、あれはどの地方の祭りだ?」とマニアックな質問、、、ジャパンマネーが目当ではなかったと分かりました。

スウェーデンホッケーの構造

さて、ポディーンの自宅につくとルームメイトのケン・エディが迎えてくれました。エディはポディーンと同様にロチェスター出身で高校の後輩とか、、、カレッジリーグでプレーした後マイナーリーグやヨーロッパを転々として、デンマークやドイツ、フランスでもプレーしたという苦労人です。一昨年はヴァクワ・レイカーズでプレーしたものの今期契約に至らず、ポディーンと同居しながら2時間かけてデヴィジョン1のチームに通っているそうです。

あれ、ポディーンがプレーしてるのがエリートリーグの下のオールスウェーデンってことはデビジョン1って?というわけでスウェーデンのプロホッケーの構造です。トップリーグとしてエリートリーグが12チーム。その下にオールスウェーデンリーグが南北合計24チーム、さらにその下にデヴィジョン1が東西南北で合計60チーム以上あります。その下には地域リーグであるデヴィジョン3、4が存在するわけですから、人口900万人に満たない国としては驚異的なプロの多さです。このあたりはチェコと似ていますね。

特筆すべきはリーグ運営の仕方です。チームが負債を抱えて倒産しそうになったときはリーグが面倒を見てあげる制度が存在し、非常に安定したチーム運営が行なわれているようです。またプレーヤーはシーズン途中で解雇された場合にもしっかりと失業期間中の手当てが出るという手厚い待遇。これならば安心して副業を持ちつつプロとして活動できるというわけです。そうなんです。エリートリーグ以外はポディーンのような一部の高給取り選手を除いて低賃金。ほとんどの選手はバイトしながらプレーしています。さすがは税金&福祉大国スウェーデン。契約条項に「解雇されたときは残りの給料は一切払わない」どころか「リーグが消滅したときは所属選手すべてが自動的に契約を打ち切られる」なんて労働法的にどうなのよ?って感じのことが記載されている北米のマイナーとはえらい違いです。って感心してますが、やはり福利厚生が整いすぎるとハングリー精神も薄れるもの。ポディーンもエディも「この国のプレーヤーにはどーも死に物狂いで勝ちあがろうっていう気持ちがない、、、」と嘆くのもちょっと納得できます。


スティックを調整するポディーン。プロ入り以来現在までCCMのウッドを使用!


ドレッシングルームはこんな感じで

ジュニアホッケーの構造なんかについても調べたかったのですが、残念ながら詳しいことまで知る時間はありませんでした。基本的にはチェコなどと同じく、親チームがジュニア以下の年代別ホッケーチームを擁している構造は変わらないようです。

[その5へ戻るその7へ進む]

[ home | about us | book&cd | hockey goods | Q&A | clinics | coach hiroki | link | contact us ]

このサイトは若林弘紀によって管理されています。
ご意見、ご質問等は hiroki@hockeylabjapan.com
までお寄せください。

Copyright 2005 by Hockey Lab Japan
このサイトの内容を無断で複写、転用、することを禁じます。

このサイトはリンクフリーですが、事後でも構いませんのでご一報いただければ幸いです。