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チェコ
&スウェーデン

2004年04月08日

特別企画:ヘローキィのチェコ&スウェーデンホッケーツアーその5

不思議の国のチェコホッケー

さて、チェコホッケーのことが分かってきたところで分からない部分を知ってもらいます。それはチェコ(のホッケー)のとてもアバウトな部分。チェコ在住の日本人に聞くと、チェコ人はかなり個人主義かつアバウトな国民性だとか。生活の中にもそれはにじみ出ています。我々日本人はたまにぶっ飛びます。

たとえば内側にドアのないエレベーター。流れていく壁を生でご覧になれます。危険?ま、気をつけて乗ってくださいということです。そしてバスの運転手さんがスーパーの近くのバス停でいきなり停止してダッシュで買い物して帰ってきて平然と運行を再開したり。そして誰もそれに文句を言わなかったり。地下鉄のホームで白線近くにいると「お下がりください」のアナウンスの次には「下がれコラーッ!!」ってアナウンスで怒鳴られたり。朝本屋さんに言って開店時間(10時)を待っていると、鍵を持ったおばさんが現れて、鍵を数回ガチャガチャして「あら、かぎ間違っちゃったわ!開店11時にするわね!」と平然と去って行ったり。そして誰もそれに文句を言わなかったり。

あと、ビール大国として知られるチェコでは(国民1人当たりのビール消費量は150リットルで堂々世界1位!)ランチタイムからレストランでほぼ全員がビールを飲んでいたり、、、飲んでから仕事?いやもちろん上司の人も飲んでるから良いんです。しかしそうするのも仕方ないくらいビールが美味いんだな、これが!これはビール好きのヘローキィとしては大変素晴らしい国だと思います。


ヴェイボダコーチの次男坊マルティン(のとなりはマルティンの彼女)
とはクラドノの町で飲みまくりました

まあもちろん日本がむしろ特殊な環境なことは百も承知ですが「チェコでは何でもありなのさ」と友達になったチェコ人が不適に微笑んでいましたから彼らもそれは認識しているのでしょう。それがホッケーにも現れています。下の秘蔵写真をご覧ください。ドロストの公式戦の前の練習です。練習中、リンクにレフェリーが登場しました。さあ試合の雰囲気が出てきたぞーって思っていたら、なんとレフェリーがおもむろにベンチから勝手に誰かのスティックを持ち出して「俺もちょっとシュートでも打つかなー!!」ってな感じで、練習に参加しだしたのです。これにはさすがのチェコ人たちもちょっと目を見張っていましたが、これから主審って人に文句を言う人などいるわけもなく、レフェリーは良い汗をかいて練習を終了。平然と試合は行なわれたのでした。それからドロストくらいまでだと試合のオフィシャルも最少人数で行なわれていて、ペナルティボックス係なんていなかったりもします。そんなときにペナルティがあったら、、、おもむろにその辺のおじさんがボックスに入り計測を始めちゃうのです。当然ホームの反則だったらこっそり早めに出しちゃったりしてもめることもしばしばとか、、、


なぜ、なぜレフェリーが練習してるんだー!!!

ホッケーボール

チェコでアイスホッケーが盛んなのは言うまでもないことなのですが、ホッケーと名のつくもので他に盛んなのがホッケーボールと呼ばれる陸ホッケーです。プレーヤーはスニーカーかなんかをはいて、あのオレンジ色の陸上用ボールで結構ハードにホッケーを行ないます。なんとプロもあるというこの競技、やっぱり町中にホッケーがあふれてるんですねー。


ホッケーボールといわれる競技。プロまである!

チェコスケート「BOTAS」

これだけのホッケー大国だから当然国産の防具もあります。やはりチェコでも防具は高級品。だからこそ国産の安価な防具がけっこう幅を利かしています。LION(リオン)REY(レイ)とかはロシアでも見ましたが、PASSVILLAN(パスヴィラン)とかNEMO(ネモ:こちらはスロバキア産)なんてスティックは見たこともありませんでした。あと、どうしても気になったのがBOTAS(ボタス)のスケート。下の写真はミラージュという最高級モデルですが、そこはかとなく漂うMI**ONのブレードホルダーの香りとE**TONの靴の雰囲気、、、イカすぜ(死語)。でも実際結構質は良さそうでした。とても魅力的でしたが新しい靴を買ったばかりでしたのでさすがにお買い上げならず。仕方なくパスヴィランのブレードで我慢しました。ちなみにこのBOTASはスニーカーなんかの普通の靴も作っているようで、地下鉄で「ム(に見えますよね!)」のマークの靴を履いた人物を発見したときは怪しくも若干その辺まで着けて行ってしまいました、、、


伝説のチェコスケート、ボタス・ミラージュ(結構良さげ)

で、この「ム」の靴が置いてあった店はなんといっても研磨の達人がいることでプラハ中で評判とか、、、ヘローキィも研磨してもらったのですが、見てビックリ!研磨機にスケートを固定するアームがなく、スケートを完全に両手で支えて上下に動かすという、研磨のもっとも原始的形態「フリーハンド」で研いでいるではありませんか!「おいおいそれじゃあセンター出ないんじゃねえの?」って心配していると、その研ぎ味はまさに絶品!しかもヘローキィがチェコに持って行った古いGRAFはスケートブレードがかなり曲がっており、通常のアームで固定する研磨ではつま先とかかとでセンターが合わず、いまいち研ぎ上がりが不安定だったのですが、この職人さんは微妙なブレードの曲がりに合わせてセンターを出しているのでつま先からかかとまで完璧な研ぎ上がりでした。いやーお見事、まさにゴッドハンド!


驚異のフリーハンド研磨、、、神業です!!

チェコホッケー総括

取り留めのない話ばかりでしたが、最後にチェコホッケーを考えてみたいと思います。人口わずか1000万人の国のビッグスポーツであるホッケー。もともと工業国で共産圏では優等生といわれていた国だけあって、自由化もかなりスムーズでスポーツもその他の旧共産圏に比べて順調に再建、新たな黄金期を迎えているようです。

この国のホッケーの最大の特徴は小さな国土と濃密なホッケー環境にあると感じました。プラハのような大都市には複数のエキストラチームに加えていくつもの1部、2部チームが存在しています。各地の小さな田舎町にもプロチームが点在しています。つまり「プロ」としてホッケーをできるチームがホッケー人口のわりに多いので、子供がホッケーを続けて、競技スポーツとしてプレーし続ける可能性が、おそらく北米よりかなり高いのです。小さな国土になので移動費がかからないこと、さらに多用なホストや移籍制度もスモールマーケットのプロチームを助けています。何よりも少しずつでもスポンサリングしてホームタウンチームを盛り上げようというホッケー好きの国民性もあります。同じ共産圏でも少数精鋭の英才教育に徹してきたロシアとは相当構造が違うようです。

日本ではとかく北米式の大規模なプロスポーツばかりに目が行きがちですが、実は小規模でも生活に根ざしたプロスポーツのあり方があるんだなと思いました。さすがは伝統国。いろいろと考えさせてくれました。また行きたいです、、、今度はピルゼン行って、、、ピルスナービール飲むぞー!!!

チェコ編:完

スウェーデン編へ続く


スパルタ名物の落書き、、、ストリートアートはなぜか世界共通です

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