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マニアック書評

2001年6月6日

「勝ちにいくスポーツ生理学」
(根本勇 著、山海堂)

さて、久しぶりの書評はちょっと趣向を変えてスポーツ生理学の本です。

コーチングをする上でスポーツ生理学の基礎知識はいまや必要不可欠の時代です。さすがにいまどき

「練習中に水を飲むな」

とかいう噴飯もののコーチは少なくなったと思いますが、一昔前はスポーツ科学も何もなく、根性論がスポーツ界を支配していました。ストレッチもなんもないでいきなり激しく運動とか、筋トレはとにかく良くないとか、まあ相当高いレベルまでトンデモないトレーニングのオンパレードだったわけです。

今では逆に筋トレなんかの情報の普及でスポーツ生理学への興味がとても高まっています。とはいうものの、コーチもプレーヤーも本業の自分のスポーツの技術や戦術の他にスポーツ生理学まで学んでいる暇はあまりなく、かといってスポーツトレーナーなども職業としていまいち確立していないし、とても一般までには普及していません。とくにマイナースポーツであるホッケー界はひどいものです。

そういえばカナダではマイナーホッケーチーム(地域の子供のチーム)にはコーチライセンスを持ったコーチとトレーナーライセンスを持ったトレーナーの帯同が義務付けられていました。といっても、初級のトレーナーライセンスなんて本当に簡単に取れるので、あとは本人が本格的に勉強しないとどうしようもないものなのですが、、、(上級は別です) アメリカの大学ホッケーでは、もちろんチームにトレーナーが帯同します。普通はスポーツトレーナーコースを選考する学生がインターンみたいな形でチームに帯同するようです。私のいたSt.Mary's大学の場合はスポーツトレーナーの学科がなかったので、同じ町にあるもう一つの大学と提携してトレーナーを派遣してもらっていました。とても柔軟で意味のあるプログラムだと思います。

まあとにかく日本のホッケー界のスポーツトレーナーの現状は皆さんがよく知る通りです。 本当に基本的な知識がとてつもなく欠けています。一般的なチームでスポーツ生理学の面から気をつけていることなんて、、、練習前の(それもかなりいい加減な)ストレッチだけじゃあないでしょうか? さらに、困ったことにマスコミを通じた筋トレの重要性だけが一人歩きし、技術力アップのための技術練習はさておき、

「氷に乗る時間が少ないから筋トレしたい」
「正対って何?でもゴーリー上手くなりたいから筋トレしたい」
「来年中学校に上がるうちの息子にまで筋トレさせたい」

みたいな質問がよくHLJに寄せられてきます。人間の体の成長の基本的な原理を理解しないでやみくもにトレーニングすると、単に体を壊し、競技寿命を短くするだけの結果に陥ることがほとんどです。 国立大の学生でさえも

「うちの大学は体力をつけるために貸しきり練習中にで30分間ずっと滑っているのですが、これはどうなんでしょう」

とか聞いてくるようではこの国のスポーツの将来が思いやられます。こんなことは私に聞かずとも書店で本を買って一読すれば一発で分かることなのです。(もちろん無意味だということが) かく言う私もスポーツ生理学まで本格的に勉強をしているわけではありませんが、こんな本を読んだりして一応の基礎知識を付けています。

「勝ちにいくスポーツ生理学」(根本勇 著、山海堂)

これはそこら辺の 「おいおいスポーツ生理学はいいんだけど専門用語ばっかりでチンプンカンプンだぜ、、、」 みたいな本に比べてとてもとてもとても分かりやすい本です。

「スポーツの基本原則」
「やわらかい筋肉とは?」
「筋肉痛をどうかんがえるべきか?」
「パワーを高める効率的方法とは?」

みたいな、分かりやすい表現で最新のスポーツ生理学を解き明かしてくれます。これであなたも知ったかできますよ! これで1,600円!!安い!!

次回はいよいよ書評の最終回を予定しています、、、


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