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マニアック書評

2001年5月22日

「スポーツマンのためのメンタル・タフネス」
(ジム・レーヤー著,TBSブリタニカ)

予告どおり、メンタルトレーニングの名著シリーズ第1弾は

「スポーツマンのためのメンタル・タフネス」
(ジム・レーヤー著,TBSブリタニカ)

です。私はレーヤーと、次回に紹介するW.T.ガルウェイを称してメントレ界の2大巨匠としています。いや、他にも著名な人はいるでしょうが、彼らの説得力、実践力はずば抜けています。メントレの本は、たいていがやたらウンチクだけ多くて、 「理屈はわかったけど、実際はどうやっちゅうねん?」 と欲求不満になりがちですが、この二人は蒼々たるアスリートを自らの理論で栄光に導いたプロ中のプロです。とても分かりやすく、実践に直結します。(と思わせるところが上手い。実際は誰もが読んで感動するが実践こそが最難関だから、、、)

さてさて、自らもナショナルランキングを持つテニスプレーヤーとして活躍したレーヤーは、心理学の研究をスポーツに応用し、マルチナ・ナブラチロワ、モニカ・セレシュ、松岡修造など、トップクラスの選手を指導しました。テニス以外の競技では悲劇のスケーター、ダン・ジャンセン、ホッケー界ではマイク・リクターを指導しています。

彼の理論の特徴は、とにかくスポーツマンの心理とパフォーマンスの関係というわけの分からないものを、科学的に、最終的には医学的、生理学的要素にまで還元してしまう、徹底した合理、実証主義にあります。 スポーツマンが到達する理想の精神状態IPSの時の脳波の状態はどうか、逆にストレスを感じているときのホルモンの分泌はどうか?など、とにかく筋肉をコントロールするように、思考で脳をコントロールせよ、と説くのです。

彼はまた、最高の精神状態、IPSでプレーすることの重要性を説きながら、実際にはもっと現実的に、なるべくコンスタントな精神状態を保つことを重要視しています。これは特にピークパフォーマンス、とかゾーンに頼って一発逆転の勝利を求めるタイプのメントレとは一線を画します。 大舞台で1回チャンピオンになるよりも、長年トップクラスで活躍し続けるほうが難しいし、価値があるという考え方からでしょう。また、肉体面の確固とした基礎無しに、メンタル面だけで、ピークパフォーマンスなんてありえない、という意味でもあるでしょう。私は彼のそんなところが好きです。 詳しくは書きませんが、彼のよどみない理論の洪水に、あなたもきっと信者になってしまうはずです。そーかやっぱり大切なのは、自分の感情に向き合いつつコントロールすることなんだと、、、 やったらできそう、な気になる、けど、実践するのは大変です。ま、なんでもそうですが。ちなみに私は基本的に彼の理論を踏襲する形でメントレを指導してきて、結構な成果をあげています。

ところが、彼とはまったく異なるアプローチをとる、メントレ界のもう一人の雄がいたのです!!


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