2001年5月21日
今日は明日からの書評の予告編ということです。 あなたは
「うちのチームはメンタル面が弱い」
もしくは
「日本選手は、、、」
という話をしたり聞いたりしたことがありますか?もちろんありありでしょう。 ドーハの悲劇のロスタイムでの失点、本番に弱い、勝負どころで弱い、という日本人アスリートたちの悲劇的シーンは、オリンピックなどの報道を通して私たちの心に焼き付けられています。
私たちは、いつのまにか、自分たちがメンタル面で弱いと思い込む症候群にかかってしまったようです。私たちは自分たちのチームや、日本を代表するアスリートが大舞台で失敗するたびに、
まずフィジカル面(体力、身体能力)、そしてメンタル面の弱さを思い浮かべるようになってしまいました。
一般のスポーツファンやマスコミが「メンタルが、体力が」と騒ぐのはいいのですが、指導者であるあなたがいつも「メンタル、体力」を口にしているとすればそれは考え物です。本当にメンタルで体力なのでしょうか?ほとんどのケースではNOです。
たいていの指導者は、技術力、戦術、戦略力、組織力不足を充分に分析しないまま、安易に体力面、メンタル面に逃げ場を求めます。
中田英寿は、韓国サッカーの日本に対する対抗意識云々の議論について
「技術的に圧倒してしまえば何てことないはずだ。下手だから負ける。それだけだ」
と一蹴しています。そのとおりなんです。特にメンタル面の差は技術、戦術が拮抗して初めて勝敗に影響するはずなのです。 面白いことに、日本人がメンタル面で引け目を感じている「向こう」のアスリートたちも、母国では大舞台で敗戦するたびに「わが国のアスリートはメンタル面が弱い」と報道されているそうです。「負けたからメンタル面が弱かったはずだ」という結果論に過ぎないのです。 もちろんメンタル面がスポーツに占める割合は決して低くない、、、というか、本質的に心身は切り離せないものと考えるべきであり、メンタル面を鍛えることは非常に重要です。 問題は、それをどのように行なうか、ちゃんと行なうつもりがあるかということです。
「メンタル面が弱い」という話はよく聞きますが、実際にそれを改善する取り組みを行い、効果を上げている人たちはホンの一握りです。メントレといえば、イメージトレーニング、ゾーン、プラス志向、そんな言葉ばかりが流行り、そして廃れていくだけです。本当に重要だと思うならば、毎日の練習以上に必死で勉強し、取り組むべきなのです。そうでなければ、結局は言ってるだけです。メンタル面が強ければなー、、、、という、負けたことへの言い訳なんです。 というわけで、明日からはアスリートの心を鍛える指南書の決定版2冊をお届けします。 お楽しみに。
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