[ home | about us | book&cd | hockey goods | Q&A | clinics | coach hiroki | link | contact us ]

コーチ道コラム

2002年12月18日

リラ〜ックス

1.あなたがゴルフでパットに集中しようとしているまさにその時、あなたの子供がグリーンの中に入ってきて、

「スタンスを保って、振り過ぎないで、ほら何やってるのボールをしっかり見て!」

と言ったらあなたはどんな気分でしょうか?

2.あなたがスーパーで買い物していて知らない人に買い物カートをぶつけられたその時、あなたの子供が声を荒げて、

「何でそのまま行かせるのさ?何も言ってやらないの?
お母さん腰抜けだよ!戦わなきゃダメだよ!」

と言ったらあなたはどんな気分でしょうか?

3.あなたが車に乗っていて交通違反で捕まったときに、後ろに座っている子供が

「なんだよこれ?こりゃひどいよ!なにが違反なんだよ?
ふざけんなって言ってやれよ! 引き下がることないよ!」

と言ったらあなたはどんな気分でしょうか?

これはこの秋からカナディアンホッケー(カナダホッケー連盟)が始めた

「Relax, it's just a game.(落ち着いて、ただのゲームですよ)」

キャンペーンのTVCMなのです。

ホッケー大国カナダでは昔から保護者が子供のホッケーに熱を入れすぎて子供を萎縮させてしまうこと、子供の楽しみを奪ってしまうことが問題にされてきました。そこで連盟はホッケーペアレントに対して

「あなたが子供にかけているようなプレッシャー
(ホッケーの試合中に子供に言っているようなこと)
を、子供があなたにかけてきたらどんな気分ですか?」

というメッセージを様々な方法で伝えるキャンペーンを開始したのです。過去にも親の教育用ビデオが作成されたことがあるくらいカナダでは子供のホッケーに対する親の干渉が社会問題になっています。たしか昨年コーチと親のもめごとで死人が出て(本当です!)、それを受けてのキャンペーン開始になったらしいです。この手のキャンペーンには欠かせない良心的なホッケーパパの代表(チチローさんみたいなもんです)グレツキーのお父さんが講演を行なったり、TVCMを作ったりしています。

この手のどうしようもないバカ親どもを、私はカナダで嫌になるほど目撃しました。チームの規律を破ったプレーヤーをヘッドコーチが1-2ピリ干してたら、試合の真っ只中に親がベンチまで下りて来て「俺はうちの息子がベンチに座ってるのを見に来たんじゃないぞ、このボケが!」とヘッドコーチに迫ってきたり。(もちろんこのバカ親は自分の息子が規律を破ったことは百も承知で因縁をつけてるわけです)私自身もある試合の時に、中心選手(ホッケーは上手いが問題児)が強く当たられて一度倒れて、「大丈夫だからプレーしたい」というから続行させたところ(もちろん問題なくプレーしてました)また当たられて倒れたときにその子の(やばい感じの)親に「一度怪我したうちの息子をプレーさせ続けたお前に責任がある!お前はまったく脳死野郎だ!」とののしられたことがあります。いやその選手は結局全然たいした怪我どころか平気だったのですが、、、(よくある大げさな怪我のふりです。私は個人的には自分で滑って帰れるようなケガなのに大げさに倒れたりうずくまっているのは大嫌いです)無駄なペナルティの多い選手をたしなめても親が「何でやり返さないんだこの腰抜けが!」と怒鳴って、喧嘩して勝つと大拍手するもんですからまったくコーチが言った言葉なんて意味をなさないのです。

まあとにかく自己主張が激しい国民性なのでコーチも大変です。が、、、表現方法は違っても、日本でそうではないと言い切れないのも事実です。小学校低学年の試合を見に行けば、親御さんたちがどれほど熱心に応援しているか分かります。私はあるゴーリーのお母さんがほとんど半泣きになりながら「明日はすごく強いチームと当たるんですけど、どうすればいいんでしょうか?」と相談されて、「気をしっかり持ってください、、、、お母さんが」とアドバイスしたことがあります。リバウンドが止められないという小学校低学年のゴーリーのお母さんの相談に「お子さんの技術ではまだリバウンドよりも普通のシュートを確実に止めることが必要です」というと「それでもチームのほかの親御さんが息子のことをいろいろと陰で言うのが聞こえてくるから」とのこと。かなり腹が立ったので「来年から日本リーグでプレーする訳ではないでしょう?子供をそういう批判から守って、まずは簡単なシュートから止められるようにしてください」というと、、、、「いや、そういう批判がチームの親御さんから出ると、主人が機嫌が悪くなるので、、、」と来たもんで、もうこれは思いっきりテレビでみのもんたさんに相談してもらうのが一番という内容になってしまいました。この他にも日本で目撃した「熱すぎる親御さん」の話は枚挙に暇がありません。マイナースポーツのホッケーでさえこうなんですから、日本でも野球やサッカーの父兄は相当なものでしょう、、、

実は私もそうだったのですが、親の見に来なかった試合のほうが活躍できたりするほど、子供は親からのプレッシャーを感じながらホッケーをしているものです。子供は親を喜ばせるためにホッケーをしているのではありませんし、子供はそういうホッケーを長く続けていこうとは思わないでしょう。子供が大きくなって、親から離れても、自分の意志で自分のためにホッケーを楽しめるために、親御さんはクールな視点を忘れないで欲しいな、と思います。自分をコントロールできないで反則したり、やる気がなくなったプレーを見たときは大いに怒っても良いかもしれませんが、頑張っても失敗したときは、励ましてあげるか、何も言わないであげて欲しいな、と思います。子供は子供で、考えながらプレーしてるもんですし、自分のふがいなさは一番分かるものです。

リラックスキャンペーンについて、詳細は下記アドレスからどうぞ。例のTVCMもダウンロードできます。パットを打とうとしている親の横でメガホンもって怒鳴ってる子供とか、トイレに座っている親の横でストップウォッチ片手に時間を計りながら説教している子供のポスターもダウンロードできます。

2002-03年キャンペーン
2003-04年キャンペーン

それでは。

[戻る]

Hockey Lab Japanニュースメールに登録していただくと更新情報が配信されます。

[ home | about us | book&cd | hockey goods | Q&A | clinics | coach hiroki | link | contact us ]

このサイトは若林弘紀によって管理されています。
ご意見、ご質問等は hiroki@hockeylabjapan.com
までお寄せください。

Copyright 2005 by Hockey Lab Japan
このサイトの内容を無断で複写、転用、することを禁じます。

このサイトはリンクフリーですが、事後でも構いませんのでご一報いただければ幸いです。