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Q24:インラインホッケーで有効なシステムは?(99年12月7日)

Q:

インラインホッケーでのプレースタイル(4+1)はどのようなものが考えられますか?

とあるインラインホッケーチーム

A:

さて,最初にいっておかなければいけないのは私はインラインについては専門外だということです.少しはプレーしたことがありますが,コーチングをする上で必要な研究というものはしたことがありません.ですからここで示す解答もあくまで推測の域を出ません.ただし,球技のシステムなんていうものは理詰めで考えていけばだいたい誰が考えても似たような結果が出ますので,それなりに正しいことは言えると思います.専門的なことを学ぶためには,(もうやっていると思いますが)是非海外の文献を当たってみて下さい.

さてそれでは私なりの回答です.インラインではフォワード3人のディフェンス1人というシステムとフォワード・ディフェンス2人ずつというシステムが共に使われているようですが,ここではフォワード・ディフェンス2人ずつのシステムを前提として回答します.というのは,おそらくやっているうちにそこに落ち着かざるを得ないと思うからです.

ディフェンディングゾーンでは,ゴール前に一人とコーナーに1人,コーナーへのサポートに一人,ポイントカバーに一人,つまり2−1−1で守るべきでしょう.これはQ&AコーナーのQ13:「ディフェンディングゾーンでの守りの基本」からポイントカバー(4もしくは5)を1人引いただけの守り方です.(図1参照)パックが逆のコーナーに行ったときのローテーションは図2の通りです.

アタッキングゾーンでのフォアチェックはいろいろあると思いますが1−2−1もしくは1−1−2を書いておきました.

図3は配列からいって1−2−1と言いたいところですが考え方が2−2なので2−2にしました.F1とF2は積極的にパックを奪回しに行きます.F1が角度を付けてパックにプレッシャーをかけ(この場合右から左)プレーを方向付けてパスを出させます.F2はそれを読んでレシーバーをカバーするかルースパックを奪回します.ストロングサイド(パックのある側)にいるD1はフォアチェック成功ならばルースパックを取り返す,ポイントショットを打つなどして攻撃に参加します.フォアチェックが失敗しそうならば後ろに下がります.ウィークサイド(パックのない側)にいるD2はフォアチェック成功ならばスロットに進入して攻撃に参加します.フォアチェックが失敗しそうならばウィークサイドのプレーヤーをカバーしながら後ろに下がります.これは積極的にパックにプレッシャーをかけつつも守備を固めることもできるバランスの取れたシステムです.相手のパックコントロールが上手く,簡単にフォアチェックが成功しそうにないときは次に紹介するシステムがより有効かもしれません.

図4は1−1−2フォアチェックです.F1は2−2と同じくプレーを方向付けますが,2−2のように積極的にプレッシャーをかける必要はなく,とにかくどちらかのボード側に(この場合左側)プレーを展開させ,バックチェックでパックを取り返します.F2はウィークサイドをカバーして下がります.D1,D2は共にリンク中央を下がり中央を突破されないようにします.またルースパックを奪回して反撃します.

最後に相手ゾーンへの進入です.ブルーラインのオフサイドがないインラインホッケーでは,パックキャリアF1より先にアタッキングゾーン(ハーフ)にF2を進入させておけば敵のディフェンスをより引き下げることができます.パックを落としてしまったときに簡単に方向転換して守備に移れないというインラインの特性を考えて,D1はF1の背後でサポートする必要があるでしょう.しかしパックが一度センターラインを越えてしまえば,D1は積極的に攻撃に参加しても良いでしょう.なぜなら相手にパックを取り返されたとしても,相手はセンターラインを越えてからしかパスを出すことができないからです.D2はとりあえず中央で下がり目にしておけばカウンターアタックの時の安全策になります.

他にもいくらでも考えなければいけないことはありますが,今回はとりあえずここまでです.インラインのシステムに造詣が深い方は,補足,訂正などをしていただければ幸いです.
それでは.

(回答者:若林弘紀

 

 

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