1.通常DZCはシュートを打たれた後のリバウンドやダンプインで,コーナー付近にパックがあることを想定して始められることが多いのです.そこに至るまでの守備はバックチェッキングのシステムの一部として認識されているためです.そしてそのコーナーにパックがあるときの基本的隊形は図1の通りです.
・パックに一番近いプレーヤー1(通常ディフェンスだが,別に誰でもいいです.以下同様に..)はパックキャリアの体にプレーし,パックキャリアをコーナーに封じ込めます.パックをコントロールさせないように,ボードにピンするのが理想です.
・その次にパックに近いプレーヤー2はプレーヤー1を背後からサポートします.ルースパックになれば素早く取り返します.相手も当然パックキャリアをサポートしに来るので(2の隣にいるプレーヤーです),そいつを牽制すること,そいつがコーナーにサポートしにいったら素早くカバーしに行くことも大事です.
・ゴール前のプレーヤー3はパックに近い方のポストの前あたりに立ち,ゴール前にいる相手をよく見てパスコースを塞ぎます.ゴール裏や前にルースパックが出たらすばやくブレイクアウトするかクリアします.
・プレーヤー4はパック(がある)サイドのポイント(ブルーラインの少し内側)にいる相手をカバーします.4は必要であればハッシュマーク(フェイスオフサークル横の2本線)付近まで下がってパック奪回に参加してもいい.
・プレーヤー5はハイスロット(ゴール前かなり高め)の少しパック寄りに位置し,スロットと真ん中のポイントをカバーします.
これでしばらくの間,図に描かれたゾーンにいる相手を5人のプレーヤーが受け持つことになります.
2.サイドチェンジは図2のようになります.基本的に自分の受け持っていたプレーヤーを引き続いてカバーしていきます. |
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3.さて,ここからは実際によくある状況を想定していきましょう.1がコーナーでパックキャリアをピンしたところ,ルースパックが出ました.当然このパックは相手のサポートと2が取り合うことになります.(図3)これでコーナーは2−2の状況になります.最初に相手を押さえた1は,少しの間(3秒ほど)相手を押さえ続けます.すぐに復活してパックに向かわれないためです.もちろん押さえすぎはホールディングですよ.
4.さらに2が押さえた相手がルースパックをゴール裏に流します.これはゴール前を守る3とゴール前にいる相手で取り合いになります.これでコーナーは3−3の状況になります.
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5.こうなるとゴール前はがっぽり空いてしまうので,相手のポイントのプレーヤーは当然隙を見てスロットに入り込み,パスを受けようとしてきます.そうしたら4や5がしっかりそいつをカバーします.1,2や3も隙を見て復活してきそうな相手をカバーするのを忘れずに!(図5)自分が押さえた相手は自分で最後まで責任を持つということです.
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6.最後に,どこで誰をカバーするときでも,カバーする相手とゴールの間に位置することが最も重要です.どんなに相手の近くに位置していても,相手がゴールに直接向かっていけるスペースを与えてしまっては意味がありません.ゴールと相手との間に位置していれば,もし相手がパックを持っても,直接ゴールに向かっていくことができないからです.
そして,とにかく1−1で負けないこと,それに尽きます.1−1で負けてしまったら,それを完全に補う方法などあろうはずがないのです.
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