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審判経験者の方からこの回答に対するコメントをいただきました。大変貴重なご意見のため、一部編集して掲載させていただきます。

記事を拝見しました!

過去にレフェリーをやっておりましたので、レフェリーとしての見解を申します。

1.不可解なジャッジ

不可解なジャッジには3つあります。

a. 誤審
これは、色々理由があります。典型的なのは、見てなかったためです。人間の目は、見ようとしてみないと見えません。視界に入っていても、見えてないのです。逆にいうと見ようとすると「こんなことまで」と思えることまで見えます。

b. 不安定なジャッジ
試合の始めと判断基準を変えるときとかあります。試合のありそうなとき、私は、両チームのキャプテンを呼び「厳しくするから」といって大幅に変えたこともあります。逆に、ペナルティーの基準の試合の始めからゆるすぎることもあります。こういうとき、そのままで行けば、体格のいいチームに有利になり、かえると、体格のいいチームに不利になります。きちんとかえる旨言って変える審判はほとんどいません。

c. 審判にしか見えない場合
これはすごくあります。典型的なのはキーパーのパックセーブです。キーパーは抑えているつもり(特に足の下)でも、審判からは、抑えていないのが丸見えの時があります。過去に、ゴールキーパーの股の間にあるのですが、体に接触して いないことがはっきりと見えていることがありました。このとき、周りの全員がホイッスルが鳴らないことに不思議に感じていましたが、誰も触っていないパックが氷の上にあるときに試合は止まりません。
また、ゴール/ノーゴールの判定もそうです。これは、日本リーグの決勝リーグであったことですが、シュートがそのまま、ゴールにはいったのですが、あまりに正確で、ポストに当たったと誰もが思ったようです。ゴールジャッジをやってた私には、ゴールの後ろの金属パイプに当たるところまではっきり見えましたので、ゴールとしましたが、跳ね返りのパックをGKが抑えたので、周りは全員いいかげんなジャッジと思ったようです。

2.不可解なジャッジに対処するには。

基本的に、抗議は認められておりません。ですから、覆ることは基本的にありま せん。でも、レフェリー・ラインズマンの見解の異なることはあります。これを確認することは重要です。アドバンテージ中のゴールとかありえるからです。また、判定基準を聞くことも重要です。思いもしないペナルティーがあることがあります。(知らないうちに、相手の選手の頭をスティックで殴りそうになっていることがよくあります)そのために、質問だけは許されています。ゴールジャッジの見解も聞いてみることです。「確認してください」ということは非常に有効です。例え、そのジャッジが覆らなくても、確認する行為がその後随所に出るからです。あと、審判の前で、ふてくされたり、失礼なことをしたり、逃げたりしないこと。審判も人間ですから「このジャッジはおかしいかな」と思うことはあります。そういうときに協議に入りたいのに、抗議を取りやめて目の前からいなくなったり、文句ばっかりいってると、そちらのほうに、処罰が向いてしまいます。有効に質問を使いこなすのも試合の技術のひとつです。

3.審判の評価について

これは、基本的に、日本のスポーツにおける審判の地位の低さに原因があります。まず、練習の時には「下手な選手」にやらすことが多いでしょう。それが、そのまま、レフェリーは下手な選手というイメージになってます。このため、ごまかす選手が多く、このため、誤審と認めにくいことがあります。(認めたら、その後は、試合がむちゃくちゃになります)それから、審判の数の少なさ。私は、年間最低でも200日、多いときは320日審判をやりました。これでは、コンディションもへったくれもありません。体がくたくたで走れなくても、レフェリーをやらざるを得ません。最低でも各チーム3人のレフェリーを抱えてほしいものです。(1チーム30人としても全ホッケー選手の10%)このため、下手な評価をして「やめろ」というと、他のレフェリーまでおかしくなります。ただでさえ、過密スケジュールなのに、これ以上はできないのです。ですから、「せっかくやってくれるのだから・・・」ということになります。この辺が、厳しい査定以前に、レベルアップを望めない理由の1つになっています。

氏子定男

なるほど、、、、なるほどなるほど、、、、

本当に自分の勉強不足を痛感し、反省しております。

やはり一つのスポーツが成熟するには、選手も、私も含めてコーチが、もっともっとルールと、「レフェリング」を勉強する必要がありますね。グレツキーが現役時代に評価が高かったことの一つに「レフェリーとのコミュニケーション」がありました。「レフェリングに守られている」などと揶揄された彼ですが、本当はそうではなくで審判に対する敬意と正しい知識があり、レフェリーとの正しい接し方を心得ていたということなのですね。

貴重なコメントありがとうございました!

若林弘紀

 

 

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