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Q81:コーチ側からの差別はあるのですか?(03年11月10日)

Q:僕は最上級生でキャプテンを務めていますが、チームで一番うまいとも思えません。どちらかというと後輩達のほうが上手に見え、監督やコーチも2セット目の後輩にばかりアドバイスをしてあまり1セット目の僕達にアドバイスをしてくれないように思います。他の仲間達は考えすぎだといいますが僕はいつも劣等感を感じてしまいます…コーチ側からの差別というものはあるのでしょうか?教えてください。

グレート・ワン

A:

なかなか興味深い問題でしたので取り上げてみました。

コーチも人間ですから当然プレーヤーに好き嫌いは存在します。これはプレーに関することでも人間性に関することでもあり得ます。プレーヤーがコーチを好きだったり嫌いだったりするのと同様です。もちろん、優れたコーチであるならば、なるべく平等にすべてのプレーヤーに接するように努めるでしょうが、実際それを完璧にこなすことは不可能に近いと思います。逆に競技レベルのプレーヤーであればコーチに選ばれて「選手」となるためには、プレーの面でも人間性でもある程度コーチの求めるプレーヤーを目指す必要があります。

2002年サッカーW杯日本代表選考の際、最大の話題になったのが中村俊輔の落選です。当時のトルシエ監督は中村俊輔の攻撃力を評価しながら守備力を懸念して、中盤のバランスを考えるとベンチ要員と判断していたようです。後に、ある試合でベンチに控えていた中村がさえない表情で前髪をいじっていた姿を見て中村を切ることを決意した、と述べています。結局トルシエがムードメーカー的存在の中山と、経験豊富な秋田をあえて選んだように、彼が控え選手に求めることは切り札的技術だけでなく、チームに活気を与えるキャラクターだったのです。

トルシエはあまりにもあけすけにこういうことを暴露してしまう人なので嫌われたりしたわけですが、コーチの心理というのは実際そういうものです。冷遇されていると思ってベンチで腐っている人を「仕方ないから使ってやるか」とは考えないものです。グレート・ワンさんはキャプテンですしベンチで冷遇されていることはないと思いますが、状況は似たようなものです。自分の境遇に対するネガティブな考えが自分のプレーや態度に表れているのかもしれませんよ。コーチからのアドバイスを待つだけでなく、自分でコーチとコミュニケーションをとるように、積極的に行動してみてはどうでしょうか?

また、「2セット目後輩たちばかりにアドバイスをする」というのも、その理由がはっきりしない限りはただの疑心暗鬼かもしれません。例えば北米のプロでは上手くいっている選手にアドバイスを与えるのはまれで、問題がある選手にアドバイスを与える傾向にある、と言います。実際プロに入ったばかりの選手は「コーチは自分に何も話してくれないけど自分はもう首なのか?」と心配になることも多いらしいです。もしかしたらチームのコーチは今2セット目を改善したいだけかもしれません。

というわけで、この問題の本質は、コーチの好き嫌いの問題よりも、自分自身の態度と、コーチとのコミュニケーションの取り方であると思われます。もう一度、自分がコーチに何を求められているか、考えてみてください。また、より良い方法でコーチとコミュニケーションをとる方法を考えてみてください。そして、キャプテンである以上、誰よりも積極的に練習と試合でリーダーシップを発揮してみてください。

それでは。

(回答者:若林弘紀

 

 

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