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Q77:かしこいプレーとは?(03年02月05日)

Q:監督に「もっとかしこいプレーをしろ」といわれ2セット目に落とされてしまいました。かしこいプレーとはどのようなプレーのことですか?

じゅん

「かしこいプレー」をしろ、、、といわれても、、、これは去年の「漠然とした質問オブ・ザ・イヤー」に決定ですな。でも気持ちはとても分かります。

まずは監督に何を求められているか聞いてみてください。かしこいプレーをしろと言っておきながらどんなプレーがかしこいのか言えなければその監督も問題です。(わざと考えさせようとしている場合もあります)

一般的に言えばかしこいプレーとは「やみくもに走り回るだけではない」プレーであり

  1. ゲームの展開を読んだプレー
  2. 味方と敵の位置を把握したプレー
  3. パックを持っていないときの攻守の効果的な動き

を指します。全部説明しきれませんが、ようするに3の「パックを持っていないときの攻守の効果的な動き」に集約されます。

ここではその中でも「パックを持っていないときの攻撃の効果的な動き」=「オフェンシブサポート」 を説明します。オフェンシブサポートの基本は以下の二つです。

  • 味方がパックを持っていて余裕があればどんどん攻撃を進められるように前に動いてパスをもらう。=ストレッチ
  • 味方が敵にチェックやカバーをされて困っていれば近づいて助けてあげる=サポート

分かりやすく悪い例から説明します。例えば下の図1。青チームのプレーヤーが赤チームのコーナーでパックをキープしています。青チームの味方はゴール前で「ハイハイ!パス」と、懸命に味方からのパスを呼んでいますが、お互いがカバーされているため現実的にはありえないパスを虚しく求め続けていることになります。たいていはコーナーでつぶされるか、ゴール前でパスカットされて終わってしまうでしょう。これは「かしこいプレー」とは言えません。


図1:かしこくないプレー

同じような状況で図2ではゴール前のプレーヤーはコーナーのパックキャリアと自分へのプレッシャーを読んでパックキャリアの近く、ボード際かコーナーへ寄ってサポートしています。これなら短くて簡単なパスでチームとしてパックをキープし続けることができます。


図2:コーナーのパックキャリアへのかしこいサポート

今度は青ディフェンスがパックを持ってゴール裏からブレイクアウトしようとしている図3を見てみましょう。青ディフェンスには赤フォアチェッカーが迫っているためロングパスは望めません。ですから青ウイングはハッシュマーク付近のいわゆる「45度」に戻って簡単なパスをもらってブレイクアウトをします。


図2:ブレイクアウトへのサポート

一方図4ではディフェンスに直接プレッシャーがかかっていないためニュートラルゾーンまで走り、より長く有効なストレッチパスを求める、ストレッチによるサポートをしています。


図4:ストレッチによるサポート

他にもいろいろと例をあげることはできますが、ようするに攻守の切り替えを読むこと、味方へのプレッシャーを読むこと、これがポイントなんです。

賢いプレーヤーとは攻守の流れを読み、味方を助けるプレー

だったんですね。ということはもちろんパックを持ったプレーヤーにもかしこいプレーがあります。攻守の切り替えや自分へのプレッシャーを読んで動いてくれる味方の動きに応じてパックを動かすことがかしこさになります。ただしパックキャリアの場合は効果的にキャリーパスしたりシュートしたりパックプロテクションしたりして、かしこいプレーを発揮するだけの技術力が絶対的に求められますので、よりいっそう難しいことになります。ファンタジスタはだからすごいんです。

それでは。

(回答者:若林弘紀

 

 

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