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Q75:コーチが変わり指導方針が変わったら?(02年10月02日)

Q:
我チームのメンバーは他のチームに比べ身体が小さいのでパスやポジションを重視し、そこそこの成績を残してきました。先月からコーチが代わり、体力と激しいチェックを要求します。今までの倍以上の運動量が求められ、疲れるばかり、個人技による得点だけで、チーム得点力はかなり落ちています。試合中も走り負けるな、チェックをしろと言う指示だけで、ポジションやシステムについての指示は一切ありません。勿論コーチの言う事は重要なのは解っていますが、このままでは試合の度にチームもメンバーもぼろぼろになって行くような気がします。これからどの様に対応すれば良いのでしょう。

ちっちゃい中学チームの身内

サイズで劣るチームに体力と個人技だけを重視するホッケーを教えようとするとはなんと愚かなコーチでしょうか!!!ヨーロッパのホッケーがそうであるように、サイズがなくても組織力で上回るホッケーをするしかないじゃないですか!!!

なんて回答を期待していたらすいません。私はこのチームのことをよく知らないのでコーチがどうしてそのようなコンセプトでチーム作りをしているのか分かりません。ですから、ここではサイズとか戦術云々の話はやめておきます。そもそもこの問題の本質は「コーチ(やキャプテンなど指導的立場の人)とチームのコミュニケーション」にあるのです。

競技ホッケーのコーチはチームを任された以上「チームの競技力の向上のために必要な戦術を考え、トレーニングさせる義務」があります。したがって「チームに必要と思われる戦術を考えたり人選をしたりする権利」も有するのです。コーチがチームに必要と思っていることは往々にしてプレーヤーや父兄やファンのやりたいホッケーと違ったりします。また、プロフェッショナルなコーチであれば「プレーヤーやファンが望むコンセプト」よりも「勝利に必要なチーム作りのコンセプト」を重視してしかるべきです。プレーヤーがやりたいことをやるためだけなら、コーチなんていう半分客観的立場の人はいらないのです。

ですからこのチームのコーチもひょっとしたら「サイズが劣るチームだからこそよりフィジカルなプレーに対応できるように鍛え直す時期が必要だ。そして以前より強力なフィジカルプレーに組織的プレーを足していけばより強いチームになるはずだ」と、ある程度の反感を覚悟で教えている時期かもしれませんし、単に「最後は組織力よりも個人技」という信条を持っていて、そのセオリーを実践する方法をに自信を持っているのかもしれません。

こればかりは話してみないと分かりません。

そうなんです。コーチは自分の思い描くチームに近づけるために「チームに関わる人たちに自分のチーム作りのコンセプトを理解してもらう義務」があるのです。またチームに関わる人たちも「コーチのチーム作りのコンセプトを理解する権利」があるのです。もしシーズンの半ばを過ぎてもコーチのコンセプトが理解されず、また結果も伴わなければ、明らかにそのコーチは「説明不足」だったわけですし「理解されるに足る説得力をもたなかった」ことになります。

というわけで、これは一度ちゃんとコーチと話をしてみる機会を設けるのが一番の方法です。不満がたまってケンカ腰になる前に、「コーチのやり方を支持するけども、ちゃんと理解したい」という姿勢を前提として話を聞いてみてください。意外と良い考えを持っているかもしれませんし、、、、全然考えてないかもしれません。コーチの考えがあまりに浅はかで無責任であれば、仕方ないので自分たちの考えているホッケーというものを筋道を立てて主張してみるしかないですね。いずれにしてもこれは人間関係の問題なので太陽と北風のたとえのごとく強引さだけで勝負しないことが重要です。

それでは。

(回答者:若林弘紀

 

 

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