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Q26:スラップシュートを上手く打つコツは?(99年12月21日)

Q:

アイスホッケーを始めて3年目になりますが、上手くシュートが打てません。特にバッティングシュート(HLJ注:バッティングシュートというのは和製ホッケー用語です.英語ではスラップシュートというのが普通です)は、うまくスティックに当たらずパックが上がりません(全然浮かない地を這うシュートです。) 打ち終わったあとはかならずのけぞってしまいます。どのようなシュート練習をすればいいのでしょうか?また、シュート時のスティック捌きのコツなどがあれば教えてください。

北海道30プレーヤー

A:

突き詰めて考えればシュートのメカニズム自体は力学以外の何物でもありません.人間の筋肉と関節の動きをパックに効率よく伝えるということです.
テニスや野球における打球,野球などの投球,サッカーやホッケーのシュートに共通する原則として,だいたい,
  1. 腰や肩,腕の回転とそれに伴う体重移動によって,スティックやラケットや足がなるべく速い速度でボールに当たるようにする.
  2. スティックやラケットの「しなり」と反発を利用して更にボールを加速する.
  3. ボールを飛ばしたい方向に向けて運び,放つ.
ということが考えられます.
スラップシュートの場合1はスティックを振り上げてから振り下ろすまでです.2は氷とパックへのインパクトの瞬間,3はその後リリースからフォロースルーまでです.(右図1参照)
この質問は「パックを飛ばしたい方向に飛ばない」わけですから,特に3の部分に注目する必要があります.
たとえ高く飛ばすシュートを打つ場合でも,一応天井ではなく自分の前に向けてシュートを放っているわけですから,インパクトの瞬間からリリースの瞬間まではシュートの方向に向けてパックを方向付けながら力を加えて運んであげなければいけません.

図1:スラップシュート(良い例)
「スラップシュートだったらそんなの一瞬だよ」と思うかも知れませんが,確かに普通のリストシュートなどに比べれば時間は短いもののスラップシュートにも「パックをスティックのブレードに乗せて運ぶ」というプロセスが存在するのです.30プレーヤーさんご自身で指摘されているとおり,「のけぞる」ということは最終的にスティックがパックを運ぶ方向とは関係ない方向=上に向いてしまっているということです.「飛ばす」ということを意識するあまりパックをすくい上げる動作になってしまった結果です.(右図2参照)これではパックは前には飛びません.また加速できる時間も一瞬なので当然剛速球は期待できません.
図1のように,ボトムハンド側の肩(この場合は左肩),そしてスティックを,なるべくシュートを打つ方向に向けて動かすようにして「シュートを前に運ぶ」ことを意識してみて下さい.

図2:すくい上げシュート
さて,今度は左右への方向付けです.これもインパクトからリリースの間にシュートを打ちたい方向に向けて力を加えてあげないとあらぬ所に向けてシュートが飛び立ってしまいます.
最大のポイントは「体の周りを振り回すようにスティックを動かさない」ことです.(レフトハンドの場合だったら時計回りに振り回しているようではダメです)スティックのブレードを「肩の上からパック,パックから狙っている場所へ」つまり「上→下→前」に振るイメージをもって下さい.
右図3のようにライン上にパックを置いて,ラインに沿ってスティックを振り,ラインに沿ったシュートを打つような練習がわりと効果的だと思います.
やってみて下さい.

本当はスティックのしならせ方とかいろいろとあるのですが,とてもこのスペースでは説明し切れませんので,とりあえずここまでにしておきます.
それでは.

図3:スラップシュートドリル例

(回答者:若林弘紀

 

 

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