Q:
小さい頃から5-4でのDZのキルプレーの守り方をボックスで守れと教えられてきました。
質問なのですがなぜボックスを組んでまもらなければならないのでしょうか?
そしてボックスでの守り方をうまい守り方を教えてください。お願いします。
(モロゾフ)
A:
これはなかなか深い質問ですね。
5-4のDZキルプレーではFW二人とDF二人で箱形の、いわゆるボックス隊形になって守るのは世界中の常識ですが、そもそもなぜボックス隊形で守ることになったのか?考える機会はそうそうありません。
Q118で解説したようにDZではスロットからシュートを打たれるのが一番失点の確率が高いので、
「パックにより近い人」
と
「スロットに近い人」
を優先的に守るべきです。通常5-5のDZカバリジでコーナーにパックがある時は、図のようにストロングサイド(パックのあるサイド)のDF(ここではLD)がコーナーのパックキャリアをカバーし、その背後を通常CFがサポートします。さらにゴール前にはウィークサイド(パックのないサイド)のDF(RD)が居ますので、コーナーから得点圏のスロットにパックがたどり着くまでには、
ストロングサイドのDF→CF→ウィークサイドのDF
という3層を突破しなければなりません。上手くプレッシャーをかければ、第2層まででパックを取り返す確率はかなり高くなります。
しかし5-4のキルプレーでは人数が一人少ないため、DFの背後で通常CFがいるべき第2層を置くことができません。コーナーのパックを奪回するために人数をかけると、本来守るべきスロットが手薄になってしまいます。ですから、直接失点する可能性が低いコーナー付近には、相手にパスミスなどがない限り、無理にプレッシャーをかけず、スロットに簡単にパックが入らないよう、4人スロット内側を固めて守ります。(逆にPKでも積極的にプレッシャーをかけて相手のミスを誘発するアグレッシブなボックスもあります)
そしてもう一つ、ボックスPKはサイドオーバーロードPPの3つのシュートレーンを塞ぐための配置でもあります。図のようにストロングサイドDF(LD)はサイドボードからのシュートレーンを、ストロングサイドFW(LW)はストロングサイドポイントからのシュートレーンを、ウィークサイドFW(RW)はウィークサイドポイントからのシュートレーンをそれぞれカバーします。
ということは、相手がサイドオーバーロードではなくアンブレラなどに変化したときは、シュートレーンが変化しますので、それに合わせてボックスからダイアモンドのPKに移行する必要があります。
ボックスPKやダイヤモンドPKでの守り方の詳細については「新世代のアイスホッケー −システム編−」で解説していますので参考にしてください。
それでは。
回答者:若林弘紀
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