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Hockey Lab Japan
Q&A

Q118:2対1の、より確率の高い守り方は?

Q: 
2対1のディフェンスのポジショニングについての質問です。
(中略)
以前からゴーリーの希望で2対1の状況ではパックキャリアにはシュートは打たせてもパスは出させない事を約束事としてバックドア側に入ってくる敵FW2寄りにポジションを取りパスを防ぐこととリバウンドの処理に集中してディフェンスをしていましたが、敵FW1のシュートで失点してしまう場合は本当にこのディフェンスで良いのか疑問に思う事も多々あります。(この疑問から何度か敵FW1のシュートを防ぎに詰めた事もありますが、逆に敵FW2にパスを通され綺麗に失点、かなりのダメージを受けることも・・・)
(中略)
2対1の正しい(より確率の高い)ディフェンスを教えてください。宜しくお願いします。
(シャークス)

A:
まず、NZからの2対1場合の基本的な守り方についてはこちらを参考にしてください。今回は一歩踏み込んで、2対1で守らなければいけない場合、誰を優先してどのように守るべきかを考えます。

守備ではまず

「パックにより近い人」

「スロットに近い人」

を優先して守るべきです。
したがって、

1.パックを持ちスロットにいるプレーヤー
2.パックを持たずスロットにいるプレーヤー
3.パックを持ちスロットにいないプレーヤー
4.パックを持たずスロットにいないプレーヤー

の順に優先して対処することになります。

例えば図1ではパックを持ったプレーヤー(1)と持たないプレーヤー(2)が二人ともスロットにいますから、この場合はスティックをパスコースにおいて(2)へのパスを牽制しつつ、パックを持っている(1)に適度にプレッシャーをかけて、スロットから良いシュートを打たせないようにせざるを得ません。あくまでも相手二人の間に身体を置きつつプレッシャーをかけないと、もしパスを通されてしまった時や、リバウンドがバックドアに出た時などに致命的になりますので、走り回りすぎずポジションをコントロールすることが重要です。


図1

図2ではパックを持ったプレーヤー(1)がスロットに、持たないプレーヤー(2)がスロットの外にいますから、この場合もスティックをパスコースにおいて(2)へのパスを牽制しつつ、パックを持っている(1)にプレッシャーをかけて、スロットから良いシュートを打たせないようにします。この場合もあくまでも相手二人の間に身体を置きつつプレッシャーをかけないと、もしパスを通されてしまった時、リバウンドがバックドアに出た時などに致命的になりますので、走り回りすぎずポジションをコントロールすることが重要です。


図2

図3ではパックを持ったプレーヤー(2)がスロットの外に、持たないプレーヤー(1)がスロットの中にいますから、この場合はパックを持っている(2)がスロットに侵入してこないように注意しつつ、スティックをパスコースにおいてパスを牽制して、スロットに居る(1)の身体にすぐにプレーできるくらいの距離(スティック2本分以下)で守ります。ゴーリーはアングルショットを確実に止める必要があります。


図3

図4ではパックを持ったプレーヤー(1)がスロットの外に、持たないプレーヤー(2)もスロットの外にいますから、この場合はパックを持っている(1)がスロットに侵入してこないように注意しつつ、スティックをパスコースにおいてパスを牽制して、適度にプレッシャーをかけて、スロットに入って良いシュートを打たせたり、逆に(2)がスロットに入ってきてそこにパスを通させないように守ります。DFはパックに釣られてスロットから飛び出さないで、基本的にスロットにとどまって守るべきです。


図4

当然ながら数的に不利なので、

「詰めたけどパス出された」
「詰めなかったら打たれた」

というケースで失点することは起こりえるので、完璧に守ることは出来ません。また、細かい「場合」を言い出せばきりがないので、「スロットから決定的なシュートを打たせない」ためにはどうすべきか?というシンプルな原則に従って判断するしかありません。

さらに「パスが通ってしまった」、「打たれてリバウンドが出てしまった」時には優先順位が変るので、速やかに対処する必要があります。

また、パックの動きに振り回されず、2人のプレーヤーの間に位置して守れば、とりあえず相手の攻撃を遅らせ、時間を稼いで味方からの援護(バックチェック)を待つことが出来ますので、まずは落ち着いてスロット中心から守り始めることが一番重要です。

ちなみに3対2、3対1、さらにチームとして数的に不利なキルプレーも、基本的に同じ原則で回答を導き出すことが出来ます。

それでは。

回答者:若林弘紀

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