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Hockey Lab Japan
Q&A

Q114:初心者のチームメイトを活かして戦うには?

Q:
私はとある小さな街の中学校でホッケーをやっています。チームの人数もGK1人を含めて10人とかなり少ないです。そのため、小学校の高学年からアイスホッケーをはじめたという人も多く、年中プレーできる地域と違い、かなりのレベル差がチーム内にあります。

私ともう一人のチームメートは、スピード・技術共に他の地域の強豪チームに引けをとらない程度にあります。そのため、試合になると私とそのチームメートがほとんど交代をせずにパックキャリーをして得点するという感じで、中々他のチームメートを使ってあげられません。練習のときは意識してパックを回したりするのですが、試合となるとやはりそれは難しく、せいぜいショートパスを出してパックキャリーがもらいなおす程度のことしかできません。スケーティングもまだまだな人が多いため、ポジショニング、フォーメーションまで手が回らない状況です。

私ともう一人のチームメートは、今年で卒業してしまうため、このまま今シーズンを終えてしまうのは何か物足りない気がします。どうにか周りのチームメートを成長させてあげてから卒業したいと思っています。何かよい方法はありますか?

(DX)

A:
すでにじゅうぶんお分かりのように、初心者から始めたプレーヤーが、数年で経験者と一緒にプレーするのは簡単なことではありません。特にパスをまわしてゴールに迫るようなプレーを初心者と共にするのはとても難しいことです。

しかし、経験者だから自分ひとりでやれば良いやという驕りにおちいらず、そこをあえてチームの皆と一緒に戦うホッケーを目指そうとしているDXさんに敬意を表します。ホッケーは自分で点を取ることだけで喜びを味わうスポーツではなく、チームで良いプレーをしたときに喜びが何倍にもなる、ということを中学生にして理解しているのは素晴らしいことです。

さて、それでは、基礎技術がじゅうぶんではないプレーヤーがチームプレーに参加するにはどうしたらよいのでしょうか?一緒にプレーする時間が限られているのですから、華麗なパス回しが完成することは期待できません。でも、彼らも違うやり方でチームに貢献できます。たとえばゴール前でゴーリーの前に入り、スクリーンをするプレーに技術はほとんど必要ありません。タイミングよくゴール前に入り、いやらしく粘っているだけでもじゅうぶんチームの助けになります。さらにリバウンドを狙えるポジションにいれば、得点する可能性もあります。

また、経験者が全員抜いて得点できるわけではなく、むしろ相手に囲まれて困ることもあります。そういう時は近くに行ってルースパックや短いパスを取るだけでも、その後の経験者のプレーを助けることができます。これは逆に経験者が初心者を助けるためのプレーにもなります。

「相手に囲まれたら、むやみにパックを動かすのではなく、パックを守りながら(パックプロテクション)しながら、俺のサポート(フォロー)を待て!」

と教えてあげれば、彼らもパックプロテクションというホッケーの中で一番大事な技術の一つを学び、チームにのために活かすことができます。

さらに、フォアチェックやディフェンディングゾーンカバリジなど守備のプレーは、初心者でもしっかりと頭を使えば習得しやすいものです。守りもホッケーの半分を占める大事な要素ですので、ここでも彼らは活躍できます。

日本の大学や高校のホッケーでよく見られることですが、本来経験者と初心者が混ざって勝敗を競うのは競技スポーツとはいえません。しかし、その現状は変えることができないのですから、初心者もチームに生かせる方法を考えるのは素晴らしく肯定的なことです。

それでは。

回答者:若林弘紀

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