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特別企画:ヘローキィロシアへ行く!!その1 (2002年9月8日)

ヘローキィは2002年9月8日から15日まで、青森県高校選抜チームのロシア遠征に同行させていただき、極東のハバロフスクとシベリアのオムスクに行ってきました。(地図はここを参照してください)ロシアホッケーと言ってもNHLで活躍する選手やナショナルチームの情報はなんとか分かるものの、国内最高のリーグであるスーパーリーグや子供たちのホッケーの現状はなかなかうかがい知れないものです。ヘローキィがわずか1週間の間で垣間見たのは、常にカナダとホッケー界の覇権を争ってきた東の雄ロシアンホッケーの底知れぬ人材と育成システムでした。

9月8日「ハバロフスクへ出発」

到着:
ロシア遠征最初の目的地は極東のハバロフスクです。(地図は(ここを参照してください)ハバロフスクはかなり前から日本と深く結びついているらしく、ビジネス目的で渡航する人も多い町です。ホッケー界ともつながりが深く、スーパーリーグ加盟チームのアムールはたびたび来日して試合を行なっています。日本からもU16チームやいろいろな地域の選抜チームが遠征しています。またハバロフスクといえば最近サモロドクというチームが日本リーグへ加盟を打診してきたことでも知られています(残念ながら交渉決裂でチームは解散)。 ハバロフスクへは青森空港から飛行機で約2時間。ヨーロッパとは思えぬ距離であっという間に到着です。

ハバロフスク空港の到着ロビー
エアロポート(空港)

アムール86とは?:

ハバロフスクに到着するとすぐにホテルからリンクに向かい、スーパーリーグ所属チーム「アムール」の育成チームの一つである「アムール86」と試合を行ないました。ロシアでは子供の競技ホッケーはスーパーリーグやその下の上級リーグ所属チーム(当然プロです)の下部組織として運営されており、生まれた年ごとに編成されています。ですから「アムール86」といえば1986年生まれのプレーヤーで構成された16歳のチームです。

青森県高校選抜は当然高校2-3年生主体ですから年下のチームとの対戦になるのですが、同年齢のチームだと強すぎるため年下くらいが適当なのです。詳しくは分かりませんがこの下部組織のチームは7-8歳の年齢から編成されており、小さいころは人数が多いのですがだんだんと絞られてきて、ある時期になると、たったの1チームにまで絞り込まれます。つまりハバロフスクで競技ホッケーを続けることができる16歳は、たった20人強なのです。小さいころから少数精鋭ですから練習時間は非常に豊富です。これはソ連時代の徹底したエリート教育の流れを汲むものでしょう。

「普及」という観点からはマイナスの面もあるのですが、少人数への一貫教育による強化と言う点ではメリットが大きいのでしょう。「アムール86」などの年代別チームは18歳くらいまで構成され、極東地域の他のチームとリーグ戦を行なうようです。年代別チームの上には「アムール2」というプロの2軍があり選手はプロ契約をします。

さて、この「アムール86」の母体であるスーパーリーグ「アムール」チームは旧ソ連時代は「スカ・アムール」という軍隊のチームだったようで、ホームリンクも軍の管轄下であるアムール川に隣接する公園のすぐそばにあります。築50年とかなり古いのですが、4000人収容で試合になると常に満員御礼になるほどこのハバロフスクでのホッケー熱は高いようです。

「スカ・アムール」は旧ソ連崩壊後完全にプロチーム化されました。現在のオーナーは鉱山会社社長であり大変な資金力を誇っています。熱心なホッケーファンであるオーナーはアムールとアムール2だけでなく、地域のプロリーグ(スーパーリーグ、上級リーグの下なのでプロ3部リーグ)に所属するサモロドクを傘下に置き更なる選手強化を計ったようです。

さて、試合のほうは序盤パスワークに勝るアムール86が攻勢をかけますが2ピリ3ピリで青森が逆転!(確か)5-2で勝利をおさめます。ちなみに今回の遠征ではヘローキィはコーチングの仕事などない試合応援の立場での参加ですのでかなり気楽に見ておりました。 明日は極東の地、オムスクへ出発です。

アムールのホームリンク
外見はアレですが中は立派
ベンチ
対戦相手の「アムール86」
青森県高校選抜チーム