Question

Q4:女子チーム指導のコツは?

初心者ばかりの大学女子チームを指導していますが、女子チームを指導するコツはありますか?
(某大学女子ホッケー部コーチ)

(実はこの質問はかなり前に寄せられ、回答したものなのですが、参考のためにアップしておきました。)

Answer

私も数年間筑波大学女子チームを指導してきました。結論から言うと、私は女子ホッケーチームの指導においては、「女子ホッケーチームの指導」が重要であり、 「女子チームの指導」を意識する必要はさほどないと思います。

中には「女の子は感情面のフォローをしてあげなきゃいけないから‥。」「女子はパワーがないから‥。」「女の子にはこういう練習は無理だ‥。」と、何かにつけて女子を理由に指導やプレーの可能性を(否定的に)論じたがる人がいますが、私はこれらがあまり意味のあることだとは思えません。確かに女性は平均的筋力が男性に劣り、女子ホッケーはルールから見ても、実際のプレーのレベルから見ても、男子ホッケーとかなりのレベル差があることは否めません。

しかし、彼女たちは基本的に男子チームを相手にするわけではなく、同じようなレベルの女子チームと戦うわけですから、「パワーや体格が男性に劣ること」など意識する必要はないのです。意識する必要があるのは彼女らが戦っているレベルかその上のレベルで、相手(当然女性)との体格差やパワー差をいかに克服するかということです。そりゃ、女子にもパワーある人とない人、体格のいい人とそうでない人がいますからね。これは男性同士の戦いであってもまったく同じことですよね。

さて、だからといって性差という要素が、ホッケーの指導とまったく無関係かというと、そうでもありません。確かに女子で、しかも10代後半からスケートを履き始めて、ホッケーを始めた場合、特に考慮すべき点があります。それは、「陸トレでは特に基礎体力づくりに重点をおくこと」です。

10代後半からホッケーを始めるということは、基礎体力が十分整っていて、過去に本格的にスポーツ競技を経験した人にとってさえ難しいものです。平均的に上半身、下半身共に筋力が十分でない女子の場合、始めたばかりの頃に筋力やその他の基礎体力を付けることが非常に重要になると思われます。重い防具に身を包み、スケートでしっかりと体を支え、力強いシュートを放つためには、それなりの筋力、基礎体力が必要だからです。女子プレーヤーの中には、筋力不足から、ホッケーに必要な深い膝の曲げを伴う基本姿勢が身に付かず、そのままひざの曲がらない基本姿勢が身に付いてしまう人が少なくありません。(これも人によりますが。。。)ですから基本姿勢に始まるホッケーの基本テクニックを身に付ける時期に、筋力強化を並行して行うことが重要だといえるでしょう。

後いくつかありますが、基本的にはレベルに合わせてホッケーの指導を行えばいいだけです。「女の子は○○だから難しい‥。」「うちのチームはこんなことでもめていて‥、ほら、女の子でしょ‥。」こんな愚痴がでてきたらコーチとしての危険信号です。「女の子」(や「日本人」という言葉)を持ち出して問題をすり替える前に、いくらでもホッケーを教えることはできるはずです。

それでは。