Question

Q16:バタフライの幅を広げるには?

膝がカタくてバタフライの幅が狭いのですが、どうしたら広がるでしょうか?
(全国のゴーリー)

Answer

「僕はヒザがカタいのでバタフライが上手くできなくて。。。」「うちの子はヒザがカタくてバタフライスタイルに向かないような。。。」、、これは私が全国のゴーリースクールで受ける質問の、ダントツNo。1です。 しかし、最初にいくつかのことを言っておかなければなりません。

  1. ヒザに限らず体が固いとゴーリーには不利である。
  2. 単純にバタフライの大きさとバタフライスタイルの成功を結びつけることはできない

一番目は当然のことです。ヒザがカタいからといってバタフライをしなければローショットを止めることが難しくなります。スタンドアップスタイルであっても体の柔らかさが要求されることに代わりはありません。 二番目はよく誤解されていることです。バタフライであれ何であれ、まず正対ありきです。正対がずれればそれだけ無理をして足を伸ばすバタフライになってしまいます。

バタフライスタイルを使いこなしているゴーリーはバタフライが大きいから上手いのではなく、例外なく正対が上手いのです。ロワよりバタフライが広いと思われるゴーリーは世の中にいくらでもいます。しかし彼ほど上手く使いこなしてはいません。フランソワ・アレールがデモンストレーターで日本に連れてくるプロのゴーリーは、(ジャン・イアン・フィリアトロを別として)みんなあまり大きく開かないバタフライで、しかも175cmくらいの身長です。でも彼らはバタフライをちゃんと使いこなしています。正対して、正しい体重の乗せ方でバタフライをすれば、だれでも股下は止まります。おっと、十分に長いレガースを着けることも忘れてはいけませんが‥。そして、ポスト際を狙われたきわどいシュートでも、きちんと正対していれば、すこし足を伸ばせば届く位置でしかないはずです。

HLJのゴーリークリニックのデモンストレーターでもあった八戸工大一高の福沢正勝君は身長わずか165cmほどですが、彼をローショットで仕留めるのは至難の業です。ハイショットなんかもっと入らなかったりするんですが‥。というわけで、体の固さや体格にバタフライのやりにくさを求めるより先に、正対、そしてバタフライのタイミングを研究して下さい。

それでもやはりバタフライは広いに越したことはありませんし、ヒザが柔らかければ怪我も減ります。そこでバタフライ用のストレッチを紹介します。これはヒザと股関節の周りの筋肉を柔軟にするストレッチです。多くの人が「ヒザがカタい」と簡単に言いますが、骨格に多少の個人差はあっても、関節そのものかカタいなんてことはあろうはずがありません。カタいのヒザと特に股関節周りの筋肉なのです。

両膝を肩幅くらいに広げてマットに着き、腰をよく伸ばします。左足膝下はまっすぐ後ろに伸ばし、右足の膝下はなるべく体の外側に向け、内側のくるぶしをマットに着けるようにします(写真1)。足首は直角に曲げ、つま先が体の前に向くようにします。これで右の脚の付け根が伸ばされる感じがするはずです。右股を外側から左膝に向けて斜め下に押してあげるともっと伸ばされるはずです。痛くない程度に押して下さい。30秒ストレッチを続け、反対の脚も同様に行います。これを3セット行います。無理しないように。

Photo 01
写真1

次はマットの上に脚を伸ばして座り、右膝下を左脚に対して直角に外側に向けます(写真2)。このときも内くるぶしがマットに着くようにそして足首は90度に曲げるようにします。こうすると右の腰が少しマットから浮くはずですので、それに逆らって右の腰をマットに着けるように力を加えます。股関節の周りが伸ばされる感じがするはずです。痛くない程度にして下さい。30秒ストレッチを続け、反対の脚も同様に行います。これを3セット行います。無理しないように。

Photo 02
写真2

同じことを両膝の間隔を少し広げてやったのが写真3です。上級者向けですね。

Photo 03
写真3

写真4では写真2と同じことを仰向けになって行っています。これも上級者向けです。

Photo 04
写真4

最後に最も上級者向けのストレッチです。仰向けになり、脚だけをさも氷上でバタフライをしているかのように開きます。この姿勢で膝をマットの方に動かします。誰かに軽く押してもらうといいでしょう。どうです。これはきついでしょう? 無理せず、上のストレッチを十分行ってから臨んで下さい。

Photo 05
写真5

以上、すべてのストレッチはアップの後や風呂上がりなど体が暖まっているときに行って下さい。また下にマットのような柔らかいものを敷くことを忘れないで下さい。一番大事なのは毎日行うことです。1ヶ月もすれば効果が出てくるはずです。

*撮影モデル:米田憲司

それでは。