Question

Q100:ダンプインの功罪は?

こんにちは。突然ですが、「ダンプイン」について質問させていただきます。僕らのチームはプレイヤーが初心者ばかりで、パックをキープしながら一人で、若しくはパスを繋いでアタッキングゾーン(AZ)にまで持って行くことが、現実なかなか出来ないチームです。試合では試みても、ニュートラルゾーンでハンドリングミスやチェックにより奪回され、カウンターを喰らってしまいます。そこで、チームとしては、レッドラインを越えたらダンプインをしてしまおう、と決めました(当然1-0や2-1ではそのまま攻めますが)。そして逆サイドのWGがラッシュをかけてパックを取って出来るだけAZでゲームを展開する、と。しかし、最新のアイスホッケーに関する本などを読むと、「何でもかんでもダンプインをすることは勿体無くて無駄である」と書かれてあり、チームで論争になります。その意図は十分分かるのですが、我々のような初心者チームが、キープ力もさほどないチームが、経験者のいるチームと戦うとき、出来るだけAZで試合を展開するためには、ダンプインは有効なのでしょうか?ダンプインの功罪について教えてください。
(#53)

Answer

記念すべき100回目のQ&A、良い質問じゃあないですか、、、

「ダンプすべきか。否か?」

こりゃまあまあホッケー界永遠の命題みたいなもんです。私も

「ダンプインについてどう思ういますか?やっぱダメ(良い)ですよね?どうなんですか?」

と踏み絵のごとき質問をよく受けたものです。

結論から言うと、初心者がいる云々ではなく、テクニックに差がある場合はよりテクニックが劣るチームがダンプインを戦術的に使うのは間違ってないと思います。実際昨シーズンのア○スバッ○スも数的優位でなければNZはなるべくシンプルにダンプ、ダンプ、ダンプ!!でした。なぜならば、ダンプインをすれば、確かにAZで攻めるチャンスは減りますが、少なくともフォアチェックからはじめられます。NZで無理やりパスしてターンオーバーして、数的不利な状況から守り始めるよりはよっぽど安全です。

要するにダンプは攻撃の手段にあらず、っていうことです。状況にもよりますが、ダンプしてウイングを走らせてパックを奪回しようと思っても、人数をかけすぎれば逆襲されピンチになります。また「ダンプして、フォアチェックしてからどうする?」という部分にコンセンサスがなければ、得点は取れませんし相手チームはいずれ解決策を見つけるでしょう。ですから、「バカダンプ」ではなく、フォアチェックにつながるような、頭の良いダンプが必要なのです。ダンプして、一人目が相手DFのボディにプレーすれば、相手はたいていクリアするか、ゴール裏に逃げざるを得なくなります。こうして相手の有効な攻撃を抑えるのがダンプの第一の価値だと思ってください。そしていわゆるルール新基準でフォアチェッカーのスクリーンが厳しく取り締まれるようになった今日この頃、ますますダンプへの依存が増えるんだろうなと、、、だからあんまり好きじゃないんです、新基準ってやつが。

もちろんダンプを多用すればクリエイティブなプレーは減ります。ですからシーズンインから遠い時などスキルを上げたい時期はクリエイティブなプレーを奨励するために「ダンプ禁止」のゲームを行うのも良いと思います。

しかし元々力に差がある場合はクリエイティブなプレーよりも負けないホッケーで勝負すべきだと、自分に言い聞かせてみたりします(笑)

それでは。