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第2回サッカーカンファレンス報告書

今日はサッカーのお話です。
知人に頼まれて「第2回サッカーカンファレンス報告書」を購入しました。これは今年筑波大学で開かれた日本サッカー連盟とJリーグの寄附講座で、ロジェ・ルメール・フランス代表監督、もちろんトゥルシエ日本代表監督などを招いて行なわれた、一大指導者養成プロジェクトです。

このカンファレンスのコーディネーターでもある田嶋幸三日本U17監督(現U18監督)は筑波大学客員教授としてS級指導者養成講座のほかに大学院の授業も担当されており、私は大学院時代にお世話になっていました。 田嶋先生は非常に素晴らしい指導者であり、授業では学生にどんどん発表させ、指導者のプレゼンテーション能力の重要性を教えてくれました。 ちなみに私のプレゼンは 「上手いが、話にちょっと角(カド)がありすぎる」 との評価でした。ああ、あれから数年。プレゼンは更に上手くなりましたが、角があるのは変わっていないのですよ、先生。

まあそんなつながりで報告書を入手しに行ったのですが... 報告書っていうか、そのカンファレンスの内容が非常に良くできた代物でした。4日間に及ぶカンファレンスでは、おそらく技術論より組織論に重点をおいて議論されたのでしょう。フランス、ドイツ、アメリカ、日本と、競技環境が異なる中で組織を運営し、競技レベルをアップするためのノウハウが満載されており、とても参考になるものでした。

一言でいって「さすがサッカー」です。 Jリーグが始まって7年。もちろん潜在的な競技人口に差はありましたが、競技レベルではアイスホッケーとそれほど変わらないところからのスタートだったはずですが、この差は何でしょう???なにが差って、競技力アップに最も重要な組織と指導者の育成でこれだけの差がついてしまったのです。諸外国の指導者の講演はそりゃすごいでしょうが、日本を代表するU17田嶋監督や、U20西村監督、小野コーチの講演も、非常にレベルが高い内容でした。

私は海外のホッケーカンファレンスで諸外国の指導者の素晴らしい講演を目の当たりにしてきましたが、正直言って日本のホッケー界で、英語云々はさておいて、彼らに引けを取らない講演ができる人がいるのでしょうか?また、これだけ国際的なカンファレンスをひとつの大学レベルで主催する能力が、どこかにあるのでしょうか??

関係者の方々本当に本当にこんなこと言ってすいません。でもそう思います。仕方ないんです。組織と指導者の差が現実にこうして競技力の差になっているのです。もうこれ以上は言いません。いや、言えません。

最後に、このカンファレンスのハイライトはフランス代表監督のロジェ・ルメール氏のこの素晴らしい言葉でしょう。

「我々は学ぶことをやめたときに、教えることをやめなければならない」

まずは自分から、指導者として、しっかりと学び続けたいものです。 ちなみに「第2回フットボールカンファレンス報告書」CD-ROMつきで5,000円。どなたでも購入できます。興味のある方には入手方法をお教えします。