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ユースホッケーのシーズンも大詰めを迎えています。私の教えるU16、U18チームは今週末に地域大会、ピーウィーAチームは月末に州大会があります。ちなみにアメリカのユースホッケーではいわゆるティアーチーム、つまりAAとAAAレベルにしか全国大会がなく、A以下のチームは州大会まででシーズンを終了します。どのくらい本格的に競技スポーツをするかということが、最初からレベルごとに定められているわけです。当然練習試合やローカルトーナメントを除いて同じ年齢のAチームとAAAチームが戦う、などということはないので、20-1で負けるような無意味な試合を重ねる必要もありません。

さて、ピーウィーAチームはこのところパワープレーに取り組んでいます。とにかくスキルのある子供が少ないチームだったので、本当にまともにAレベルで戦えるだろうかと心配していたこのチームですが、いつの間にかチームで頭を使いながらパックを動かす戦い方が浸透して、スキルで劣るチームにも互角以上の戦いをするようになりました。タイトな守備にはスキルはあまり必要とされませんが、ニュートラルゾーンでリグループするようなプレーはパスの技術がなければ成り立たないのでとても無理と思っていました。それが今ではこのチームのトレードマークと呼べるほどに成長しました。たいしたこと教えてないのにあとは勝手に上手くなっちゃって... いやホントにリグループは上手いです。

しかし、私はパワープレーだけはいくら何でもこのスキルレベルでまともな形になるはずがないと、最後まで手を付けないつもりでした。が、シーズン後半になり子供達に新たなチャレンジが必要だと考えたとき、必然的にパワープレーらしいパワープレーを練習してみようということになりました。

なにせスキルのないチームですから、よりスペースのあるニュートラルゾーンでのリグループでのパスは通るのですが、スペースが少なくプレッシャーがきついアタッキングゾーンでのパワープレーはプレッシャーを少なくして練習しても大苦戦の連続。スコアリングはおろかシュートもパスもまともにできず酷いものです。パワープレーの形にするためのセットアップすらできません。

私は何回も、「やはりこれは技術力以上のシステムを教えようとしているのかも知れない... 諦めるべきか...」と思っていました...。しかしある日の練習で重大なことに気がつきました。

子供達は高いとは言えないスキルをフル活用して、ニュートラルゾーンではパスを通しまくっています。プレッシャーがきついとはいえ、パスのスキル自体に大きな問題があるわけではありません。システムの理解もできていないというわけではなく、むしろやりたいことは分かっているのに、そこまでたどり着かないというもどかしさが見えています。

では一体足りないものはなんなのか? 私はどこかに見落としがあると考えました。子供達が持っているスキルをパワープレーのシステムの形で使うための、何かが足りないのです。

私は特に「パワープレーの形にセットアップすることが出来ない」という点に注目しました。セットアップした状態からの練習ではそこそこ上手いプレーが出来ていたので、ようするにセットアップの形に持っていくことが出来ればそこから先は問題ないはず... なのです。

そこで私は、アタッキングゾーンにパックを持ち込んでから、パワープレーの形にセットアップするまでの間に必要な何かを考えました。そしてそれを発見した瞬間、とりあえずパワープレーの形にセットアップすることが出来るようになってきました。

それは...なんでしょうか?

パスでもスケーティングでもありませんが、とても大事な個人戦術です。コーチの皆さんは是非考えてみてください。正解者には素敵な商品が... あるかもしれません! 正解は次回の更新で。