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Dress Code

オリンピック観戦してますか?
もちろんこちらでは毎日ホッケーも中継してるんですけど、なかなか見る時間がありません。昨日ようやくスウェーデン対ベラルーシを少し見ました。ベラルーシもオリンピックに出るくらいなんだから当然強いのですが、いやはやスウェーデンがあまりに余裕でもう途中で見るの止めちゃったらいつのまにか3-2になってました(結果は4-2でスウェーデンの勝ち)。スロバキアは攻撃は凄いけど守りがなぁとか思ってたら優勝候補筆頭のロシアを撃破! スイスはヒラーが凄いけど彼だけじゃなぁとか思ってたら、そのヒラーが鬼神のごとくシュートを止めまくってカナダとSOまでもつれ込む大健闘! やっぱりオリンピック出場する国は侮れませんね...。

さて、日本ではスノボ選手の制服着崩れが大問題になったみたいですけど、こちらで知り合いにそのことを話して写真見せると

「え、これフツーじゃん、、、アメリカ人のボーダーたちはもっとアホな格好してるよ」

とか

「なんで服装くらいでそんなに騒ぐのさ?」

というリアクションが多いです。さすがフリーダムの国アメリカ! と、言いたいところなんですが... 実は意外にこの国は服装のTPOに厳しく、スポーツ界もその例外ではありません。ほぼすべての競技ホッケーチームではドレスコード(Dress Code)と呼ばれる服装の規約が存在し、10歳くらいのスクワートチームでもシャツにネクタイで試合に来る場合もあります。試合前のウォームアップでもチーム指定のウェア着用、チームで飛行機やバス移動、ホテル街のレストランで食事するときにも当然チーム指定の服装が義務付けられ、コーチもドレスコードに沿った服装が求められます。

ちなみに私はコーチとしてスーツっぽいものを着用義務付けのチームにも居たことがありますが、今のU18、U16チームではドレスパンツにチームのポロシャツとスタジャン、ピーウィーチームではジーパンにチームのウインドブレーカーでOKという感じです。

髪型もドレッドヘアや長髪は禁止のチームがほとんどで、さすがに丸刈りにしろとまでは言われませんが、トライアウト合格と同時に散髪を言い渡される選手も何人もいます。ドレスコード違反や着崩しがあった場合には注意されますし、度を越せばそれなりの罰則が課されます。つまり基本的に日本の中高生の部活と同じですね。

こちらでもこのようなドレスコードはクラブを代表する選手としてのプロフェッショナルな外見かつ振る舞いと、競技への敬意を示すために必須なものとみなされています。父兄も子供に規律を与えるためにこのような服装規定にはとても肯定的ですし、実際競技をやめてしまった子供達はたちまちストリートギャングみたいな服装で耳にピアス(男の子ですよ)とかになっていたりするので、親も賛同するわけです。

個が尊重される国でも、個よりもチームを優先させる場面ではそれなりの規律が求められる、というか、逆に個が尊重される文化ではチームを優先させることを徹底させないとチームが成り立たなくなります。大事なのはチームやクラブ、さらにはその上の管轄団体がしっかりとしたガイドラインを作って、個人の趣向よりも、自らの競技と所属するチームを尊重し、品格のある選手やスタッフを育てることです。

JOCもオリンピック選手に制服を支給してるくらいですから、もちろん場所に応じたドレスコードは規定しているんだと思いますが、規定違反とか着崩しをしたらどのような罰則があるかを明確にしておけば、違反した時点で速やかに処分すればいいだけで、メディアを巻き込んでの大騒ぎにはならなかったかもしれません。

とはいっても一度メディアに騒がれ出すともっと大変なのがアメリカ... 実はこの数日間アメリカでオリンピックよりも大きく報じられていたのがタイガー・ウッズの謝罪会見でしたから...

「国民はこの会見でタイガーを許すべきか?」

で何時間も討論してましたが、あれ、タイガーを許すかどうか決めるのって国民だっけ?と思ったりして...

明日は予選の第一の山場、アメリカ対カナダ戦です! 盛り上がることでしょう。