Column Logo

20/60/20の法則

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

新年そうそうフェニックスは30度近い陽気です...。フツーにプール入れますよ。酷寒のモントリオールで過ごしていた3年前が嘘のようです。

三箇日に行われたU18のショーケースは1勝4敗と厳しい結果でしたが、それでも次々と試合はやってきます...。1月半ばから1ヶ月間ほとんどの週末は遠征になります。

ピーウィーチームは今週末にリーグの試合が1試合あり、その後来週末はダラスに遠征してトーナメントを戦います。その大事なトーナメントを控えて、ついにチームキャプテンの発表がありました!

え! 今頃キャプテン決めてるの?と思われた方々... その通りなんです。我がチームはコーチで話し合った結果、今の今までキャプテンを決めずに戦ってきました。当然子供達や父兄から「キャプテンはいつ決めるんだ?」「キャプテンを決めればチームがまとまるはずだが、誰にするつもりだ?」なんて聞かれてきたんですが...

過去にQ&Aでも触れましたが、そもそも11-12歳の子供にキャプテンにふさわしい責任感やリーダーシップをもった子供達がどれだけいるのか?いや、それより何より、キャプテンやアシスタント(オルタネート)キャプテンという立場に伴なう責任の重さを理解出来るのでしょうか?事実、この年代のチームのキャプテンはたいてい一番上手い子供とか、(なぜか)コーチの息子とかを適当に選んで、なんかキャプテンをやっていることが偉いみたいな感じだけで仕事終了というパターンがほとんどです。

子供にリーダーシップを教えるのは、ホッケーの技術を教えるのとまったく同じ過程です。リーダーシップとは何か?どんな振る舞いが期待されているのか? またリードされる側がどうやってリーダーを支えるべきなのか? 時間をかけて教える必要があります。ですから我々はシーズン中時間をかけて子供達の精神的な成長を見極めて、子供達の中から自然とリーダーシップの素質を持った子が姿を表すのを待ち、また周りの子供達も「このリーダーなら支えて、ついて行くことが出来る」という信頼が芽生えてくるのを待ちました。

そして、クリスマスのトーナメント前に「このトーナメント後にキャプテンを任命する」と宣言してさらに試合中の振る舞いなどを観察し、昨日とうとう任命に至りました。

私はキャプテン任命後にチームにこう話しました。

「ちょっと難しくて厳しい話だけれど、聞いて欲しい。この先君たちが生きていく中で、ホッケーチームでも、学校でも、職場でも、どんなグループに属していても、3種類の人間を目にすることになる。

まずグループの中の20%の人間は、ポジティブなリーダーであり、何があってもグループを目標に向かって導いて行こうとする人たちだ。そして、次の20%の人たちは、残念ながらネガティブなリーダーで、どんなことに対してもすべてネガティブな態度をとり、グループを成功から妨げる人たちだ。悲しいことにネガティブなリーダーの力は、ポジティブなリーダーと同じくらい大きい。そして残りの60%は、フォロワー、つまりリーダーの言う事に従い、リーダーをサポートしていく人々だ。

さて、この3種類の人間の中で、実際に集団を動かすために一番強い力を握っているのは誰だと思う?

それは実はリーダーではなく60%のフォロワーの人々だ。なぜならば、フォロワーがポジティブなリーダーをサポートするか、それともネガティブなリーダーについていくかによって、グループ全体の方向が決まるからだ。そんなのポジティブなリーダーについていけばいいに決まっている!と言うかもしれないが、これも残念なことに、ほとんどの場合、ネガティブなリーダーについていく方が遥かに楽で、楽しかったりもする。何故なら、ネガティブなリーダーについていくためには、ひたすら文句を言っていれば良いだけで、特に努力する必要がないからだ。ポジティブなリーダーを支え、ついていくのは簡単なことではない。だからこそ、今任命されたキャプテンたち以外の人たちが正しい決断をしなければならない。チームとして成功したいなら、ポジティブなリーダーを支え、時に彼らが間違いを犯したらそれを正す勇気も必要だ。リーダーシップというのは結局はチーム全員で負うものだということを忘れないように!」

このチームの子供達から将来プロやD1の大学でプレーする選手が出る可能性はとても低いのですが、彼らがホッケーチームに所属していたことが、この先いろんなグループで様々な人々と活動するための手助けになれば良いなと思います。